自由とは―その2

前回「自由とは―その1」で自由とは歴史上誰のものであったか、そして、自由を求める為に起こる戦い、その後に自然にできる主従の関係等を述べました。

 

前回に引き続き、今回はその主従関係がどうして崩れてしまうのかと言う事からお話ししたいと思います。

 

その1でお話しした種々の関係についての内容を少し要約します。強いリーダーを持つグループはテリトリーの大きさと、数の多さ等により、グループ全体を豊かにする事が出来ます。このような内容でした。

 

良い事ばかりの様に見えますよね?確かに利点が多く含まれているのですが、私達人間の事を少し考えてみましょう。

 

私達人間には個人差はありますが欲と言うものが有ります。欲は私達に何か行動を起こさせる為の原動力の一つでもあり、必要な要素です。但し、この要素が有るからこそどれだけ良い主従の関係があったとしても何かの拍子にこの関係が崩壊するのです。この拍子とは、例えば、疑念、地位への評価、過労働等様々ですが、こういう事が私達に欲というものを呼び起こさせるのです。

 

最初の例、疑念。リーダーに対して不満等が募り始め、本当に彼をリーダーの座に就かせておいて良いのか?現代社会に於いても同様で会社や国のリーダーに疑念を抱く事があります。最近の例では、韓国の旅客船事故に対する対処能力問題によるパク大統領への韓国国民からの反感。従って、次の大統領就任継続はかなり難しいですね。

 

次に、地位への評価。

 

私達は会社等で賃金の対価として労働を提供しています。ただし、会社は労働意欲向上のため、又従業員は自分たちを本当に評価してくれていると地位と名誉を欲します。そして、この地位と名誉を保持するものは保持しないものから敬われる傾向にありますね。で問題が生じてくるのです。従業員は一生懸命労働を提供しているのに、昇進出来ない。では、他の会社から良い条件のオファーが来た。その会社に移ろう。こういう発想が生まれて、主従関係崩壊を招きます。

 

過労働についてです。

 

最近よくブラック企業と言う言葉を耳にするようになりました。会社を例にお話しします。従業員は上司等から残業等を強いられ、その残業代も支払われない。従業員の主従関係を破壊する手段として最近ではインターネット上での書き込みであったり、友人等に自分の会社の内容を広める。これにより、会社は大打撃を受ける事になり、大手牛丼チェーンの「すき家」は高い時給を提供しているにもかかわらずに人手不足と言う状況に陥っています。

 

結論を言うと、一度は主従関係を結んだとしても、私達はより好条件を求め、そして自分のリーダーが自分たちを評価しない場合、今迄リーダーが施した恩賞のことは忘れ、不満のみを募らし、どれだけグループが豊かであっても、自分たちが判断する価値に見合わないと判断すれば攻撃し、リーダーの力が劣って来たり、弱ったりすればその座を奪う。だから、主従関係は必ず崩れるということです。

 

これが私達人類が歩いて来た自由というものを手に入れる為の軌跡です。さて、主従関係を崩壊させる方法を知った人類の次の手は?を自由―その3でお話しします。