求人のジレンマ

これを読んで頂く前に、囚人のジレンマを読んで頂けましたか?もし、囚人のジレンマを知らないという方は是非御読み頂いてから、求人のジレンマを御読み頂く事でより理解出来ると思いますので是非お勧めさせて頂きます。

 

とても不思議。人は沢山いるし、この人達は職探しをしている。店員募集をしているし、職を求める人は沢山いるのに人手不足というジレンマ。企業が持っているジレンマです。

 

 

SYG代表考案:理想の求人モデル

 

  求職人
就職 再求職
企業 採用 (労働、時給) (人手不足、無職)
不採用 (労働、時給)  (必要無、無職) 

理想のモデル、今迄の企業のモデルです。企業は右上以外、困る事は無かったのです。左上は両者にとって良い事で、右下は企業が求めていない人材。右上は、企業が求めていた人材であったが残念な事に求職人が辞退した場合。それでも、企業は困らない。補欠採用した、ほぼ不採用な人材を採用すれば人手不足は解消されるし、補欠採用された求職人は嬉しい。このモデルでは企業に主導権があります。

 

囚人のジレンマでは、右上と左下が同じ結果を齎していました。理想の求人モデルでは、類似していますが違います。企業側に主導権がある為、基本的には人手不足にならない。困らない、だから、ジレンマが無い。しかし、求人のジレンマでは左上以外全部が同じ結果、人手不足です。

 

では現在の求人のジレンマモデルを実際に見てみましょう。

SYG代表考案:求人のジレンマモデル

 

    求職人
    就職 再求職
企業 採用 (労働、高時給) 職探しのジレンマ(人手不足、拒否)
不採用 (労働不足、無職) (労働不足、無職) 

 

なんだ、囚人のジレンマと同じ考え方なんだから、簡単だと思われていませんでしたか?結構複雑なんです。このモデルは二重ジレンマが存在し、左上の結果は職探しのジレンマを参照して下さい。

 

次に、この職探しのジレンマのうち、拒否と言う感情が入る事で、理想の求人モデルとは違う意味を持つ事となります。この企業は嫌われているという事。理想の求人モデルでは、嫌われたから求職人が辞退したというよりも他の方が条件が良かった等の理由がほとんどでしょう。しかし、求人のジレンマでは、求職人は採用されても来ないんです。そして、理想の求人モデルでは補欠採用がありましたが、補欠採用になる迄の人数が確保出来ない。モデルだけで見ていると、全て同じに見えますが、違うんです。

 

では上記、理想の求人モデルで少し述べた主導権に関する事です。不思議なのは理想の求人モデルでは左上と左下、求人のジレンマモデルでは右下と左下が同じと言う事です。何が違うのでしょうか?

 

これは立場の下克上

 

今迄は企業が採用するか採用しないかと言う企業の立場が強かった訳です。ですから、どれだけ人手不足と言われても、現在の様な人手不足に陥る事は無かった。しかし、立場が逆転、求職しているにもかかわらず、求職人の立場は今迄のように弱くない。個人事業主は大企業の様な権限はありませんが、別に事業主に能力があるならば、他要素の影響を受けにくいという強みがあります。正に、大企業の弱点はこの個人事業主にとっての強みである他要素の影響を受けにくいではなく、受けるという所です。国を統治する様なシミュレーションゲームをした事がありますか?江戸時代でいうと、将は国にとっての宝。一国を統治するだけでも、1人ではできません。だから、武将が必要になります。国が増えれば、武将がもっと必要になる。良い時は何事も起こらない。しかし、情勢が悪くなってくると武将達は、主が武将達のことを駒としか考えていないと悪く解釈し始める。その結果、武将不足に陥っているのに、統治する国は多い。他勢力に攻め入られるか、住民により反乱が起きるか。そして、規模がどんどん縮小し、最後には首を絞める事になる。だから下克上。確かに、企業にも選ぶ権利はありますが、例え採用しても、他に行く。採用されなくても、問題ない。或は、最初からその職自体を求めてくれない。だから、企業の立場と求職人の立場が逆転しているのです。それ故、このようなジレンマモデルになる訳です。

 

この求人のジレンマ、解消方法は?

 

これは簡単ではありません。現代社会に於ける問題、企業の主観、求職人の意向、様々な問題が入り交じっているからです。だからといって、解消方法はあります。是非、ご興味のある方は、SYGにご入会下さい。